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5月27日(土)
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難病ニュース(2008年)

  • シクロスポリンが重症アトピー性皮膚炎にも使用可能に(読売・08/12/26夕刊)
  • 免疫抑制薬のネオーラル(一般名:シクロスポリン)に、「アトピー性皮膚炎」の適応が10月に追加されました。アトピー性皮膚炎患者のうち、ステロイドや免疫抑制の塗り薬など既存の治療法で十分な効果が得られない成人の重症患者が対象です。

  • 網膜色素変性症、アールテックが第Ⅱ相臨床試験へ(日経産業・08/12/25)
  • アールテック・ウエノは「レスキュラ」(一般名:イソプロピル ウノプロストン点眼液)の網膜色素変性への適応拡大第Ⅱ相臨床試験の準備が整ったと発表しました。「レスキュラ」は現在、緑内障の治療薬として使用されています。希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定も視野に入れているそうです。
    網膜色素変性は、遺伝性で両眼に発症する網膜疾患で進行性の夜盲や視野狭窄をきたします。

  • キョーリン、潰瘍性大腸炎薬の用法・用量追加承認を取得(日経産業・08/12/25)
  • 株式会社キョーリンの子会社、杏林製薬株式会社が、潰瘍性大腸炎の治療剤「ペンタサ錠250」「ペンタサ錠500」(一般名:メサラジン)について、潰瘍性大腸炎の活動期における用法・用量追加(上限を1日4,000mgに引き上げ、2回に分けて投与)の承認を取得致しました。これまでは上限が1日2,250mgで3回に分けて投与していました。

  • 多発性硬化症、神経細胞の再生阻害のメカニズムを解明(日経産業・08/12/24)
  • 慶應大の研究グループは、神経の難病である多発性硬化症で神経の再生を阻害している仕組みを解明しました。
    多発性硬化症は神経線維を包む髄鞘(ずいしょう)という鞘(さや)の部分が壊れていく脱髄疾患のため、神経細胞の情報伝達がうまくいかず、運動麻痺や感覚障害などが起こる難病です。
    鞘を作る細胞が壊れたとき、病気に罹っていない場合は自らの修復力で復活します。その際に刺激となる因子が鞘を作る前の細胞に働きかけて再生します。患者の細胞では「TIP30」という分子が細胞で過剰に作られていました。そのため刺激となる因子を核に入れないようにし、神経の再生を促す信号が遺伝子に伝わることを邪魔していました。TIP30を減らすか機能を阻害する薬が開発されれば鞘の再生ができるのではと考えられています。

  • 急性ポルフィリン症薬、国内導入へ(日経産業・08/12/18)
  • シミック(医薬品開発支援会社)は、フランスのオーファンヨーロッパ社から急性ポルフィリン症薬「ノルモサン」の国内開発・販売権を取得しました。

  • レノックス・ガストー症候群の治療薬、発売開始(日経産業・08/12/17)
  • グラクソ・スミスクライン社は、小児てんかんで難治性のレノックス・ガストー症候群の治療薬、ラモトリギン(一般名)を発売しました。レノックス・ガストー症候群は、子どもに起こるてんかんで、手足がけいれんしたり、突っ張るような発作があります。ラモトリギンは、神経膜を安定化させ、グルタミン酸等の興奮性神経伝達物質の働きを抑制することによって抗けいれん作用を示します。

  • 神経の難病、ジストニア発症の仕組みを解明(日経・08/12/17夕刊)
  • 自然科学研究機構・生理学研究所の研究グループは、神経難病ジストニアの発症するメカニズムを解明しました。体の動きをコントロールしている大脳基底核の機能に異常が生じていることが、マウスの実験でわかったものです。ジストニアは筋肉が不随意に持続して収縮します。

  • 世界初、特発性肺線維症の治療薬発売(日経産業・08/12/16)
  • 塩野義製薬は、特発性肺線維症(IPF)の治療薬である「ピルフェニドン」(一般名)を世界で初めて発売しました。
    特発性肺線維症は肺胞の壁が原因不明で硬くなる病気で、呼吸困難などを引き起こします。

  • 持田製薬、2つの希少疾病薬開発へ(日経産業・08/12/16)
  • 持田製薬は、肺動脈高血圧症と、移植片対宿主病の治療薬について、治験を進めます。肺動脈高血圧症の薬は第Ⅰ相治験を終え、今後、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の認定申請も視野に入れるとのことです。
    移植片対宿主病(GVHD)は、骨髄移植などのあと、免疫細胞が自分の体を異物として攻撃してしまうため起こる症状の総称です。健康な人の骨髄液から分離・培養した幹細胞から作る薬剤で、幹細胞が持つ免疫抑制効果を利用します。ステロイド剤で治療効果が見られない患者さんを対象にした薬で、今後治験に着手します。
    (※「GVHD」は、ドナー(臓器提供者)の臓器(移植片)が、ドナー由来の免疫細胞で宿主=レシピエント(ドナーから臓器を受け取る者)の臓器を攻撃します。「拒絶反応」は、逆にレシピエント側の液性免疫・細胞性免疫などによって免疫応答が起きて自己を攻撃します)

  • ブリストル・マイヤーズ、白血病のサイト開設(日経産業・08/12/10)
  • ブリストル・マイヤーズは、慢性骨髄性白血病(CML)・急性リンパ性白血病(ALL)の総合情報サイト「CML・ALL集いの輪」を患者と家族に向けて開設しました。成因や症状、関連医療用語や検査値など専門情報をわかりやすく解説します。

  • シェーグレン症候群の原因解明に道(日経・08/12/07)
  • 徳島大学の研究チームは、更年期の女性がシェーグレン症候群を発症しやすい原因を動物実験で見つけました。女性ホルモン濃度が低下すると「RbAp」というたんぱく質をつくる遺伝子が活性化して過剰に働き、同症候群に似た症状が引き起こされることがマウス実験でわかりました。このたんぱく質を薬などで抑えられれば治療法につながります。この病気は目の組織に炎症が起き、ドライアイや関節リウマチを伴います。

  • 繊毛病の新しい原因遺伝子を特定(日刊工業・08/12/04)
  • 東京大学の研究チームが、メダカを用いた研究で、繊毛病の新しい原因遺伝子を突き止めました。また、繊毛病患者のゲノムDNAを調べると、その遺伝子の変異で発症していたことが分かりました。この遺伝子の異常で繊毛などの運動に必要なたんぱく質が形成されず、繊毛が運動性を喪失するそうです。
    (※繊毛病……カルタゲナー症候群とも。気道に面した細胞に生えている繊毛の運動機能障害で気管支炎・慢性副鼻腔炎・内臓逆位症・男性不妊になります)

  • 筋ジストロフィーの原因たんぱく質発見か(産経・08/12/01)
  • 京都大学の研究チームが、欠損すると筋ジストロフィーの原因になると考えられるたんぱく質「ミツグミン53」(MG53)をマウス実験で発見しました。実験でMG53は、損傷を受けた細胞周囲に集まって修復に重要な役割を果たしていたことがわかりました。MG53が原因物質とわかれば治療法の開発につながります。

  • 筋ジストロフィーに伴う神経症状、マウス実験では投薬で緩和(日経産業・08/11/7)
  • 国立精神・神経センターは、筋ジストロフィーの中枢神経症状(多動や自閉症)を、モルフォリノという化合物で緩和できることをマウス実験で突き止めました。
    筋ジストロフィーは筋肉細胞の構造を維持するジストロフィンというたんぱく質をつくる遺伝子に異常があり、筋肉の働きが次第に失われていく病気ですが、このたんぱく質は脳にも含まれるので、中枢神経症状が現れることがあります。モルフォリノは遺伝子異常がある場所を読み飛ばさせる作用があるので、不完全ですが体内でジストロフィンたんぱく質が作られるようになります。

  • 東海大、Tリンパ球の生成の仕組み解明(日刊工業・08/10/31)
  • 東海大学の穂積勝人准教授らの研究グループは、Tリンパ球(T細胞)ができる仕組みを解明しました。T細胞は免疫系で重要な役割を果たしています。T細胞を作り出している胸腺という臓器で発現する因子を通じて、ある刺激が生じることでT細胞ができることを突き止めたそうです。
    T細胞が出来るメカニズムが明らかになったので、免疫不全症、ヒトTリンパ性白血病などが発症する仕組みや治療への手がかりになりそうです。

  • 閉塞性動脈硬化症やバージャー病の治験開始(日経・08/10/27)
  • 先端医療振興財団・先端医療センターは、血管再生医療の医師主導治験を開始しました。閉塞性動脈硬化症、バージャー病という病気のために下肢に痛みがあったり、皮膚に潰瘍ができたり、組織が壊死に陥った患者さんが対象です。

  • ミエリン形成不全症の治療、iPS細胞でマウス実験成功(日経・08/10/27夕刊)
  • 慶應大学の岡野栄之教授らの研究グループは、さまざまな細胞や組織に分化する能力を持つiPS細胞で、「ミエリン形成不全症」という難病を発症させたマウスの神経難病を治療することに成功しました。
    神経細胞には軸索という、電気信号を伝える神経線維があります。ミエリンは脂肪層で、「髄鞘」ともいい、軸索の周りを鞘のように包んで絶縁しています。そのため、脳からの電気信号が早く、脱線せずに手足などに伝わるのです。しかし「ミエリン形成不全症」はミエリンが生まれつき作れないため、脳からの命令がうまく伝わらず、運動機能が衰え、歩行困難などを起こします。
    研究チームは、遺伝子を導入して作ったiPS細胞から、鞘の部分を作る神経幹細胞を作り出し、病気のマウスの脊髄に移植、8週間後、脊髄の神経細胞にミエリンができていました。また、脊髄損傷で歩けなくなったマウスにこの神経幹細胞を移植したところ、歩けるようになりました。
    また、一度形成されたミエリンという髄鞘が障害されることを「脱髄」といいますが、脱髄疾患の一つである多発性硬化症にも応用できると考え、研究を進めています。

  • 政府、介護保険の介護給付対象に6種類を追加(日経・08/10/26)
  • 厚生労働省は介護保険の給付対象となる福祉用具や住宅改修に、新たに以下の6つの種目を追加する方針を決めました。
    1・起き上がり補助装置(体位変換器)
    2・離床センサー(要介護者が床を離れた際に家人や隣人に音で報知)
    3・自動排泄処理装置(排尿中に排便があっても一緒に吸引する)
    4・階段移動用リフト(電動モーターで階段や段差を昇降する)
    5・入浴介助用ベルト(車いすから入浴用いすに移動するときの支え)
    6・引き戸等の新設(これまでは開き戸を引き戸に取り替える場合だけが対象)

    (新聞報道では方針でしたが、平成21年度から実施されました。なお厚生労働省当局に尋ねたところ、上記の政策はあくまで介護保険を対象にしたものであり、「難病患者等居宅生活支援事業 (40歳未満)」の『日常生活用具給付』には該当しないとのことです)

  • 特発性肺線維症の治療薬承認(日経産業・08/10/17)
  • 塩野義製薬は、特発性肺線維症の治療薬ピルフェニドン(一般名)の製造販売承認を世界で初めて取得しました。特発性肺線維症は、肺が酸素を取り込む機能が低下して呼吸困難などの症状が出る疾患です。

  • 骨髄異形成症候群、モデル動物作製に成功(日経産業・08/10/17)
  • 東京大学医科学研究所の研究チームは、骨髄異形成症候群のモデル動物(マウス)の作製に成功しました。これまでのマウスより早く発症し高い頻度で白血病に移行します。
    骨髄異形成症候群は骨髄の中で正常な赤血球が作られなくなり、強い貧血などを引き起こす病気です。放置すると白血病に進行することもありますが、詳しいことはまだわかっていません。遺伝子の異常修復を促す薬が、効果を示すことが最近わかってきました。モデルのマウスを使って新しい薬の探索や病気の仕組みを解明します。

  • 難病、腎性尿崩症の遺伝子治療法開発へ(日刊工業・08/10/15)
  • 名古屋大学医学部研究チームらは、家族性腎性尿崩症の治療について、動物レベルでの遺伝子治療法の開発に成功しました。
    遺伝性の腎性尿崩症は、遺伝子の異常によって腎臓で水分の再吸収が障害され、10リットル以上もの多尿を来します。多尿と、重篤な脱水症状に患者さんは苦しんでいます。
    多尿になるラットを作り実験したところ、水を選択的に透過させるたんぱく質を注入した群はそうでない群に比べて40%以上の尿量減少をきたしました。すぐに臨床での実施はできませんが、安全に行われる治療を目指しています。

  • クローン病発症に関与する遺伝子(日経・08/10/6)
  • 大阪大学は、クローン病と関連があると疑われる遺伝子『atg16L1』を働かなくすると、免疫細胞から炎症性物質が通常の5~10倍多く出て、炎症が悪化することをマウスの実験で突き止めました。

  • サリドマイド、多発性骨髄腫の治療用に承認(毎日・08/10/4)
  • 医薬品「サリドマイド」(製造・販売:藤本製薬)の製造と販売が、厚生労働省の薬事・食 品衛生審議会薬事分科会で承認されました。
    血液がんの一種である「多発性骨髄腫」の治療薬として90年代から効果が注目され、米国など17ヵ国で承認されています。日本でも患者団体が承認を要望していました。
    妊婦への使用は厳禁で、処方は専門医療体制のある医療機関に限られます。また患者は登録 制で、文書によって有効性や危険性などを説明して、同意を得ることが条件になっています。

  • 吸着型血液浄化器、クローン病に適応拡大(日経産業・08/10/01)
  • JIMROは潰瘍性大腸炎治療に使用されている血液フィルターを、クローン病の治療にも適用拡大する承認を取得しました。
    治療は患者の血液を体外循環させ、フィルターを通して体内に戻します。血液がフィルターを通るとき、過剰になると炎症を引き起こす白血球の一種である顆粒球や単球をフィルター内のビーズが吸着して除去します。
    (※2009年1月から保険適用されました)

  • タクロリムスが重症筋無力症へ適応拡大(日経産業・08/10/01)
  • アステラス製薬株式会社は「重症筋無力症」に対し、免疫抑制剤タクロリムス(一般名)を効能追加に係る承認申請を行いました。
    2000年9月に「全身型重症筋無力症(胸腺摘出後の治療において、ステロイド剤の投与が効果不十分、又は副作用により困難な場合)」を効能・効果として、承認を取得していましたが、今回は、既に承認された効能・効果以外の重症筋無力症への適応拡大を含む、「重症筋無力症」を効能・効果として承認申請を行いました。
    重症筋無力症は、免疫系の異常により、神経と筋肉の接合部分の異常(神経から筋肉への信号の伝達が悪くなります)のために易疲労性と筋力低下が生じる自己免疫疾患です。神経筋接合部に対する自己抗体(抗アセチルコリン受容体抗体)ができてしまうことが原因と考えられています。この免疫系を抑制することで筋肉を動かす神経の働きが改善することが期待できます。
    この抗体はB細胞で作られますが、T細胞から作られる様々なサイトカイン(免疫や炎症に関わるたんぱく質)の刺激で活性化すると考えれています。タクロリムスは、サイトカインの産生を抑えることでB細胞からの抗体産生を抑制し、重症筋無力症に対して効果を発揮すると考えられます。

  • 阪大ら産学4者で炎症性疾患薬を共同開発開始(日刊工業・08/10/01)
  • アンジェスMG株式会社、株式会社ジーンデザイン、株式会社ホソカワ粉体技術研究所、大阪大学大学院医学系研究科は、炎症性腸疾患や関節リウマチなど難治性炎症性疾患に対する医薬品開発を目指す産学4者共同研究開発を開始すると発表しました。
    既存の核酸医薬品より優れた特徴を持つ新規核酸ハイブリッドデコイの大量合成法の確立および難治性炎症性疾患の動物モデルを用いた薬効評価試験の実施、同デコイをPLGAナノ粒子に封入するDDS技術の開発と製剤化研究などに取り組むそうです。

  • 網膜色素症のマウス、光感受性たんぱく質で視覚を回復(日刊工業・08/10/1)
  • 自然科学研究機構生理学研究所の小泉周准教授ら研究グループは、網膜色素変性症で目が見えなくなったマウスの視覚を回復させることに成功しました。
    マウスの視神経細胞に、「メラノプシン」という光感受性タンパク質を作る遺伝子を導入したところ、視細胞が光を感じて電気活動が発生し瞳孔反射を示しました。

  • 難病向けの新薬開発に新技術(日経産業・08・9・30)
  • 理化学研究所は薬の開発に重要なたんぱく質の構造解析を高精度化する新技術を開発しました。たんぱく質の構造解析は医薬品開発や難病の原因解明に不可欠です。この技術で難病向けの新薬開発を加速できるとみられています。

  • 「ナルコレプシー」の発症に関連する遺伝子発見(朝日・08・9・29・夕刊)
  • 突然、深い眠りに落ちる過眠障害「ナルコレプシー」の発症に関連する遺伝子を、東京大学の研究チームが発見しました。ナルコレプシーは日本には約20万人の患者がいると推定されていますが潜在的な発症者も多いとみられています。発見は治療薬の開発などに役立ちそうです。
     ナルコレプシーは、日中著しい眠気に襲われたり、全身の筋肉が脱力する発作が起きたりする病気で、複数の遺伝要因とストレスなどで発症するといわれますが、詳細は分かっていません。

  • 関節リウマチ治療薬「アバタセプト」の製造販売承認を申請(日経産業・08・9・22)
  • ブリストル・マイヤーズは関節リウマチ治療薬「アバタセプト」の製造販売承認を申請しました。高分子化合物の融合たんぱく製剤で細胞表面にある「CD80」「CD86」に結合することで関節リウマチの発症に関与するとされるT細胞の働きを妨げ炎症の発生を抑制する。

  • 自己免疫疾患防ぐ仕組みを、東大研究チームが解明(日経産業・08・9・19)
  • 体の免疫反応が過剰になる自己免疫疾患を防ぐのに重要な細胞の仕組みを、東京大学の研究チームが解明しました。
     リンパ球の1種であるT細胞の一部には、自分の臓器を攻撃するものがあります。健康な人では胸骨近くにある胸腺に存在する髄質上皮細胞がこうしたT細胞を認識し、自然に取り除きます。髄質上皮細胞の正常な機能には、「RANK」と「CD40」と呼ぶたんぱく質が必要であることをマウスの実験で解明しました。
     2種類のたんぱく質は髄質上皮細胞の表面で外部との信号伝達を担当し、細胞の成長・増殖を促すとみられています。遺伝子操作でこのたんぱく質の働きを低減したマウスでは、自分の臓器に反応するT細胞が多く作られていました。

  • 多発性硬化症の日本選手、パラリンピック陸上男子四百メートルで優勝(読売・08・9・13)
  • 北京パラリンピック7日目、陸上男子四百メートル決勝(車いす2)で伊藤智也選手(45)が57秒25のパラリンピック記録で優勝しました。
     伊藤選手は元青年実業家。34歳の夏、海外旅行先でタクシーを降りた瞬間、その場に倒れ込み入院。中枢神経が侵される難病「多発性硬化症」で寝たきりになりました。リハビリに注文した日常生活用の車いすが、営業マンの勘違いから陸上競技用の車いす「レーサー」だったことが競技を開始したきっかけだったそうです。

  • 炎症性腸疾患の薬物送達システム(DDS)を、米ジョージア工科大学らが試作(日経産業・08・9・10)
  • 炎症性腸疾患の治療に使う薬物送達システム(DDS)を、米ジョージア工科大学などの研究チームが試作しました。生分解性高分子からなる微粒子で核酸やたんぱく質などを運んで治療できるそうです。これから動物実験などを重ねて安全性や有効性などを調べます。

  • 「ドライ型加齢黄斑変性症」向け治療新薬に光(日経産業・08・9・5)
  • 大塚製薬は、米創薬ベンチャーであるアキュセラ社が、米国で開発している「ドライ型加齢黄斑変性症」向け治療新薬の、国際共同開発契約を締結しました。加齢黄斑変性症は、光刺激などにより網膜中央部の黄斑が変性を起こし、視力の低下を生じる疾患です。脈絡膜内における新生血管の関与の有無により、血管新生が関与するウェット型、関与しないドライ型に分類されます。ウェット型と異なり、ドライ型は現在承認された治療法のない疾患です。

  • 大阪で「先端医療開発特区(スーパー特区)」を申請、免疫系難病を研究へ(読売・08・9・3)
  • がん治療薬の開発に向け、大阪府の旗振りで、北大阪の大型開発地「彩都」(茨木市、箕面市)の研究機関や大阪大、京都大などがバイオ関連の共同研究グループを作りました。国が公募する「先端医療開発特区(スーパー特区)」に申請するとのことです。研究目標は、極めて副作用の小さいがんの抗体医薬品、リウマチや多発性硬化症といった免疫系難病や花粉症の特効薬などの開発で、約5年間で結果を出すことが求められるそうです。

  • 「網膜色素変性症」治療法、京大が開発、マウス実験で進行を遅らせることに成功(日経・08・9・1)
  • 中途失明の可能性がある難病「網膜色素変性症」の治療法を京都大学の大谷篤史助教らが開発、マウス実験で進行を遅らせることに成功しました。
     発症すると骨髄の細胞が網膜を修復しようと活発に働くことを解明し、骨髄移植などに使う「GCSF」と、貧血治療などに使う「エリスロポエチン」を投与してこの働きを強めました。骨髄由来細胞の機能が高まり、網膜の保護作用も強まったということです。来年にも臨床研究を始める方針で、3―5年後の実用化を目指します。

  • 新たに「難治性疾患克服研究事業」に7疾患が指定(読売・08・8・29)
  • 今年、新たに「難治性疾患克服研究事業」に7疾患が指定されました。要望があった病気は20種類以上ありますが、住宅の内装材などの微量化学物質で体調不良が起こる「化学物質過敏症」や、原因不明の体の痛みに襲われる「線維筋痛症」などは選ばれませんでした。
      「シックハウス症候群」について、国は使用量が多い揮発性化学物質の室内濃度に指針値を作りました。しかし日用品などの化学物質にも反応する化学物質過敏症は、国際的な疾病分類でも病名として認められておらず、対策は手つかずです。
    厚生労働省は、こうした新しい病気に対処するため、来年度から研究費を助成する難病を、研究者からの公募で選ぶ方針とのことです。

  • 潰瘍性大腸炎、発症する仕組みに腸内細菌が関与の可能性(日経産業・08・8・21)
  • 大阪大学の研究チームが、腸に炎症を起こす難病「潰瘍性大腸炎」が発症する仕組みに腸内細菌が関与している可能性があることをマウスの実験で解明しました。腸内細菌によって過剰に放出された「ATP(アデノシン三リン酸)」が樹状細胞を活性化し炎症性サイトカインが放出します。そして免疫細胞(Th17細胞)も増やし、炎症を誘発する物質を多く作り出していたそうです。ヒトでも同様の仕組みがあると考えられ、ATPの働きを抑えられれば病気を治せる可能性もあるそうです。

  • 「特発性肺繊維症」の治療薬「ピルフェニドン(一般名)」を発売(日経・08・8・14)
  • 塩野義製薬は2008年度中に「特発性肺繊維症」の治療薬「ピルフェニドン(一般名)」を発売する方針を決めたとのことです。現在、厚生労働省に製造販売承認を申請しているところで、薬価が決まった段階で発売します。
     特発性肺繊維症は肺胞の壁などに傷が付いて炎症を起こし、組織が厚く硬くなる病気です。そのため、酸素を取り込む働きが落ち、呼吸がしづらくなるなどの症状が出ます。発症の原因は不明で、10万人当たり3~5人程度に症状が出るとされ、現在は治療薬がなく、ピルフェニドンが世界初の治療薬となります。

  • 「尿崩症」の仕組みを、東京医科歯科大ら研究チームが米科学誌に発表(毎日・08・8・12)
  • 東京医科歯科大らの研究チームが、「尿崩症」が起きる仕組みを解明し、米の科学誌「ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー」電子版に発表しました。尿から水を吸収し、細胞に水分を取り入れる役割を果たすたんぱく質「アクアポリン」の移動に不可欠なたんぱく質「トロポミオシン」を突き止めたものです。トロポミオソンの量や働きを調節することによって、尿崩症の新薬開発ができるかもしれないとのことです。尿崩症は、1日最大10リットル近くの大量の尿が出て脱水状態に陥り、水を補給しないと昏睡状態になることもある病気で数万人の患者さんがいるといわれています。

  • 米ハーバード大の研究チームがパーキンソン病などのiPS細胞を作ることに成功(朝日・08・8・8)
  • 米ハーバード大のジョージ・デイリー准教授らの研究チームが、パーキンソン病や筋ジストロフィー、ハンチントン舞踏病など10種類の患者から皮膚などの体細胞を採取し、万能細胞(iPS)細胞を作ることに成功したと発表しました。
     病気の発症メカニズムの解明や新薬開発に役立つと期待されます。

  • 米ハーバード大学のチーム、「筋委縮性側索硬化症(ALS)」のiPS細胞作製成功(読売・08・8・1)
  • 米ハーバード大学のケビン・エッガン博士らのチームが、「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の患者の細胞を用いて、新型万能細胞(iPS細胞)を作製することに成功しました。
    このiPS細胞から運動神経を作ることにも成功したそうです。

  • ウイルス性肝炎による重度の肝機能障害患者、身体障害者手帳の交付対象へ(読売・08・8・1・夕刊)
  • 厚生労働省は、ウイルス性肝炎による重度の肝機能障害患者を身体障害者手帳の交付対象とする方向で検討することを決めました。具体的な対象範囲はこれから検討するそうです。
     これまで同手帳の交付対象に肝機能障害は含まれていませんでした。理由は、肝機能障害は症状が様々で治療により病状が改善する可能性もあるため、身体障害と認めることは困難と判断してきました。
      しかし治療が難しく患者の負担が重いケースもあるため、ウイルス性肝炎による肝機能障害のうち「症状が永続的」で「治療方法がなく」、「日常生活に支障がある」という条件にあてはまる患者に限定し、具体的な対象を検討することになりました。

  • 金沢大、採血のみでクローン病判定できる診断法を確立(日刊工業・08・7・28)
  • 金沢大は採血のみでクローン病かどうかを判定できる診断法を確立しました。患者の血中に存在する、ある化合物の濃度が、健常者より低いことに着目したものです。詳しくは論文の作成前なので明らかにしていませんが、自然界にある抗酸化物の一種とのことです。予防や治療法の開発につながるかも知れません。

  • 難病「線維筋痛症」の治療薬の開発に、ファイザーが臨床試験を始める方針(日経・08・7・28)
  • ファイザーは、難病「線維筋痛症」の治療薬の開発に年内にも臨床試験を始める方針を固めました。日本にはまだ治療薬がなく、非ステロイド性消炎鎮痛剤 (NSAIDs) が処方されていましたが、神経痛などの治療薬として日本で開発を進めている新薬候補物質「プレガバリン」で治験に取り組むとのことです。
    線維筋痛症は、全身に原因不明の痛みを生じる病気で、原因解明と治療法も確立されていません。特定疾患にも未認定で、さらに社会保険診療報酬制度にもこの病名が入っていないため、保険適用外になっています

  • 塩酸サプロプテリンの効能追加承認で、高フェニルアラニン血症に新薬(日経産業・08・7・24)
  • 第一三共グループのアスビオファーマ株式会社は、先天性代謝異常治療薬の塩酸サプロプテリンの効能追加承認を取得し、「テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症」にも使えるようになりました。
    高フェニルアラニン血症は、血液中のフェニルアラニン濃度が上昇する代謝異常の疾患です。この薬剤によって血清フェニルアラニン値を是正します。これまでの治療は食事療法しかなく、オーファン・ドラッグ(稀少疾病用医薬品)に指定され、優先審査されていました。

  • ジアゾキシド発売、高インスリン血性低血糖症の治療薬として日本初(日経産業・08・7・23)
  • シェリング・プラウは、ジアゾキシド(カプセル型)を、高インスリン血性低血糖症の治療薬として日本で初めて発売しました。膵臓β細胞からのインスリン分泌を抑制し、血糖値を上昇させます。厚生労働省の「未承認薬使用問題検討会議」により、早期承認申請の要請がなされた薬剤です。高インスリン血性低血糖症は、新生児・乳幼児に稀に発症し(国内で30例程度)、膵臓のすべてあるいは一部のインスリン分泌が制御されないために低血糖症状が出現する疾患です。

  • 「アスタキチンサン」がパーキンソン病の予防や進行抑制作用に有効(日刊工業・08・7・22)
  • ヤマハ発動機ライフサイエンス研究所らの研究で、「アスタキチンサン」(海洋性カロテノイドの一種)が、パーキンソン病の予防や進行抑制作用に有効であることを確認しました。酸化ストレスを防止する「DJ─1」というたんぱく質が酸化型になるとドーパミン神経の細胞死を引き起こし、パーキンソン病の発症の一因となります。この酸化抑制作用があるそうです。

  • 線維筋痛症友の会、難病の認定求め、署名を厚労相に提出(毎日・08・7・8)
  • 「線維筋痛症友の会」が、難病の認定や健康保険の適用、新薬の治験促進、障害者認定の拡大を求める要望書と、約2万8千人分の署名を、桝添要一厚生労働大臣に提出しました。

  • 慢性膵炎治療薬、臨床治験を来年後半に開始。UMNファーマ(日経産業・08・6・25)
  • UMNファーマは慢性膵炎の治療薬の臨床治験を来年後半に開始することになりました。薬剤が「5─HT2A」という受容体に結びつき、消化酵素が膵臓で過剰に分泌されることを抑制することで炎症をおさえます。

  • 「HTLV─1関連脊髄症(HAM)」など7疾患、厚労省の難病指定に来年度から追加(毎日・08・6・24)
  • 厚生労働省は来年度から難治性疾患の研究対象に7疾患を加えます。新たに指定される疾患は、
    ・「HTLV─1関連脊髄症(HAM)」(約1400人)
    ・「先天性魚鱗癬様紅皮症」(150~300人)
    ・「下垂体機能低下症」(約7000人)
    ・「先端巨大症」(約1万人)
    ・「原発性側索硬化症」(150人)
    ・「有棘赤血球舞踏病」(約100人)です。

  • 世界初ヒト型抗ヒトTNFモノクローナル抗体製剤、クローン病向けに第三相臨床治験(日経産業・08・6・18)
  • アボットジャパンとエーザイは、世界初のヒト型抗ヒトTNFモノクローナル抗体製剤を、クローン病治療向けに第三相臨床治験を進めています。2009年9月の承認申請を目指します。潰瘍性大腸炎に向けても第三相治験を年内に着手し2011年に承認申請する計画だそうです。自己免疫疾患の炎症反応に関わる中心的なタンパク質であるTNF(腫瘍壊死因子)を中和することにより作用を発揮します。

  • 国立精神・神経センター神経研究所、多発性硬化症患者の遺伝子から、炎症惹起物質発見(読売・08・6・13・夕刊)
  • 国立精神・神経センター神経研究所は、多発性硬化症の患者さんの遺伝子から、炎症を引き起こす物質を発見しました。「NR4A2」という遺伝子がサイトカインを出すことを突き止めたもので、マウス実験でもこの遺伝子の働きを抑制すると病状が改善したそうです。

  • ALSの運動神経を死なせてしまうたんぱく質の作用を解明、東大の研究チーム(日経・08・6・2)
  • 東大の研究チームが、ALSの運動神経を死なせてしまうたんぱく質の作用を解明しました。細胞内で異常たんぱく質に「ダーリン1」という別のたんぱく質が結びつくことで運動神経が死ぬように働く酵素が活性化されるとのことです。結びつくことが阻止できれば症状が緩和できるかも知れません。

  • 慶応大、アルツハイマー病など26疾患患者から、iPS細胞を作る研究計画承認(日経・08・5・27)
  • 慶応大で、アルツハイマー病やパーキンソン病など26疾患の患者から細胞の提供を受け、iPS細胞を作り、病気の原因解明の研究をする計画が承認されました。

  • 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター、網膜色素変性患者のiPS細胞作製計画(日経・08・5・26)
  • 理化学研究所発生・再生科学総合研究センターは、網膜色素変性の患者からiPS細胞を作製し、原因と治療法解明の手がかりにする計画を立て、一年以内に着手することになりました。

  • ES細胞で成人型赤血球を効率的に作り出すことに成功、東大研究チーム(日経産業・08・5・19)
  • 東大の研究チームはES細胞で成人型赤血球を効率的に作り出すことに成功しました。ヘモグロビンを作る遺伝子の異常による貧血症の治療法開発につながりそうです。

  • 道交法改正、聴覚障害者は幅広のルームミラー装備と蝶マーク貼付で運転可に(日経・08・5・15)
  • 6月1日から道路交通法が改正され、聴覚障害者は幅広のルームミラーを装備することで自動車を運転することができることになりました。蝶をデザインしたマークの貼付も義務付けられます。このマークをつけた車に幅寄せや割り込みをすると5万円以下の罰金が科されます。

  • 北大研究チーム、炎症性腸疾患を惹起する原因をマウス実験で解明(日経・08・5・13)
  • 北大の研究チームが、炎症性腸疾患を引き起こす原因が「CD8T細胞」というリンパ球の一種ではないかとマウス実験で解明しました。CD8T細胞は異常増殖するとインターロイキン17を産生し、炎症を引き起こします

  • ラットからiPS細胞製作成功、韓国の研究チーム(毎日08・5・13)
  • ES細胞が作りにくい動物として知られるラットからiPS細胞を作ることを韓国の研究チームが成功しました。パーキンソン病などの難病の治療法開発に期待がもたれます。

  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)の新たな原因遺伝子を特定、新潟大と群馬大(日刊工業・08・5・8)
  • 新潟大と群馬大が共同研究でALS(筋萎縮性側索硬化症)の新たな原因遺伝子を特定しました。この遺伝子は「TD43」という神経細胞の核に存在するたんぱく質を作る役割があります。

  • 医師向け診療ガイドライン4疾患を、日本医療評価機構が患者さん向けに解説(日経08・5・7)
  • 医師向けの診療ガイドラインを、日本医療評価機構が、患者さん向けに解説しました。4つの疾患のガイドラインが完成しておりhttp://minds.jcqhc.or.jp/ からみることができます。

  • ウイルソン病の治療薬、酢酸亜鉛化合物が保険適用に(読売・08・5・2・夕刊)
  • ウイルソン病の治療薬である酢酸亜鉛化合物が保険適用されました。銅の吸収を阻害する働きがあります。ウイルソン病は先天性の疾患で、食事で摂取した銅が体内から正常に排出されず蓄積するために、脳や肝臓に障害が起こります。

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