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2月25日(日)
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外科手術

  • 拡張型心筋症で行われる外科手術
  • ペースメーカー埋め込み
  • 不整脈患者の除脈(遅い脈)を正常化するために、血液が心臓に戻る通路である静脈を通して右心房と右心室にリード(電極がついた導線)を置く手術を施します。
  • 両室ペーシング(心臓再同期療法)
  • 右心房と右心室に加えて、左心室にもリードを置く手術。平成16年4月より健康保険が適用され、18年3月末までに1600症例近くの患者さんが受けています。重症心不全患者の3~5割は心室の場所によって収縮のタイミングがずれ、ばらばらになっていますが、両室ペーシングを行うと、収縮のずれがなくなり、心臓のポンプが効率よく働くようになります。近年は心不全と同時に不整脈による突然死を防ぐことができる「植え込み型除細動機能つき両室ペースメーカー」が開発され、平成18年8月から保険が適用されています。
    (参照:同上、並びに『新・心臓病診療プラクティス 10 心筋症を識る・診る・治す』P.221-224)
  • 睡眠時無呼吸症候群に対する夜間酸素療法
  • 拡張型心筋症などで心不全に陥ると睡眠中に呼吸が周期的に停止する「睡眠時無呼吸症候群」を約半数に合併することがわかってきました。一般的によく知られている夜間に気道が閉塞する閉塞型無呼吸ではなく、心不全の場合は多くが非閉塞性の中枢型無呼吸症候群です。これは脳における呼吸の調節機構が障害されることによって起こるとされます。夜間に酸素ボンベから単に酸素を流すだけでよくなるケースもあります。閉塞型無呼吸の場合は酸素マスクを用いた陽圧呼吸が必要になります。
  • 免疫吸着療法
  • 約85%の拡張型心筋症の患者さんの血液中に心臓に対する抗体が検出されます。これらのうちの多くは心臓を攻撃し、心不全を悪化させる要因となることがわかってきました。このような抗体を特殊なカラムによって吸着することによって除去しようという試みです。実際には透析治療を3~5回受けるようなイメージです。2006年1月に慶応義塾大学で本邦初めての臨床応用が行われ、現在榊原記念病院と北里研究所病院が中心となって臨床研究を推進中です。
  • バチスタ手術
  • 「左心室縮小形成術」の一種、「左室後側壁部分切除術」の通称。ランダス・バチスタ博士によって考案されたので、このように呼ばれています。拡張した心室の直径を小さくすると、左心室の収縮力が増加するという理論に基づき、左心室の後側壁を部分切除します。この手術で切除可能な部分は左心室の後側壁に限られるので、この部分の病変が高度な場合に適用されます。
    この他に心筋梗塞などで前壁中隔に病変が強い場合には「左室パッチ形成術」、「前壁中隔形成術」、パッチを用いず切開した前壁側を中隔へオーバーラップさせながら縫着していく「オーバーラッピング法」などが用いられます。
    (参照:『新・心臓病診療プラクティス 10 心筋症を識る・診る・治す』P.230-231)
  • 心筋シート
  • 患者の筋肉から取り出した筋芽細胞などを培養し、直径約5センチ、厚さ約50マイクロメートルの膜にしたもの。これを3、4枚重ねて心臓の表面に張ると弱った心筋の再生が促されるそうです。現在大阪大を中心に研究が進められており、平成20年からは京都大の万能細胞研究チームとも提携、より質の高いシートの開発を目指しています。
    (参照:『朝日新聞』平成19年12月15日夕刊14面、平成20年1月23日 朝刊29面)
  • 補助人工心臓
  • 高度な心不全が慢性化し、もはや心臓移植しか治療の手立てがない患者さんの命をつないでいるのが補助人工心臓(左室補助装置)です。平成19年3月末までに我が国で行われた心臓移植41例のうち、33例で使用され、装着期間は最長1444日、平均745日で欧米の倍以上の期間となっています。補助人工心臓には「体外式」と「埋め込み型」の2種類がありますが、使用に際しては血栓発生を防止するためにワルファリンなどを服用しなければならず、脳梗塞、脳出血、感染症への対応も必要になります。最近、携帯が容易な補助人工心臓が開発され、され、患者のQOL向上に貢献しています。

    また 、子ども用の補助人工心臓についてはドイツ・ベルリンハート社の体外式の臨床試験が平成24年4月より東大病院、大阪大病院、国立循環器病研究センターで行われる予定で、平成26年度には承認を受けて医療現場に導入することを目指すと報じられています。埋め込み式については、国立循環器病研究センター、三菱重工業、産業総合研究所、ニプロの間で共同開発が進められており、現在試作機の開発が進められています。

    (参照:『朝日新聞』平成17年5月26日朝刊38面、『読売新聞』平成23年10月16日朝刊19面、『産経新聞』平成24年2月26日朝刊3面並びに『新・心臓病診療プラクティス 10 心筋症を識る・診る・治す』P.351-352)
  • 心臓移植
  • 1.適応条件
    心臓移植は今のところ拡張型心筋症の最後に選択される治療法ですが、近年末期的心不全の薬物治療が飛躍的に進歩したため、以下のような条件がつけられています。
    ・長期間またはくり返し入院治療を必要とする心不全
    ・ベータ遮断薬およびACE阻害薬を含む従来の治療法ではNYHAの3~4度から改善しない心不全(NYHA:ニューヨーク心臓協会による心不全の症状の分類、1度・無症候性、2度・軽症、3度・中等症~重症、4度・難治性)
    ・現存するいかなる治療法でも無効な致死的重症不整脈を有する症例で、年齢は60歳未満が望ましい。
    ・運動耐容能を重視し、最大酸素摂取量peak VO2が14.0 ml/min/kg以下
    2.国内の心臓移植実施施設(2007年6月30日現在)
    国立循環器病センター、大阪大学、東京大学、北海道大学、東北大学、岡山大学、九州大学、埼玉医科大学、東京女子医科大学の9施設
    3.待機状況
    日本臓器移植ネットワークへの登録後、ドナーが見つかり、心臓が移植されるまで待機している患者さんの数は、2007年5月31日までで279人。拡張型心筋症あるいは拡張相肥大型心筋症の方が9割以上を占めています。そのうち、国内で移植を行った方は44人(2007年6月末現在は45人)、海外に渡航して移植した方は29人、待機中に亡くなった方は94人いました。心臓移植が必要と考えられている心不全患者さんの予後は不良で、1年生存率は50%前後しかありません。
    国内で心臓移植を受けた人は全て、移植直前の医学的状態の緊急度が非常に高いstatus 1の患者さんで、補助人工心臓を装着されていた方は45例のうち37人(82%)でした。待機期間は、平均767日(29~2,747日)で、status 1での待機期間は平均730日(29~1,390日)、機械的補助期間は平均735日(20日~1,446日)でした。米国のstatus 1の患者さんの待機期間56日と機械的補助期間50日に比較して、極めて長いのが特徴です。
    4.国内での心臓移植手術
    「臓器移植に関する法律」が施行された1997年10月以降、国内での心臓移植手術は1999年に3件、2000年に3件、 2001年に6件、2002年に5件、2004年に5件、2005年に7件、2006年に10件、2007年に10件、2008年に11件、2009年に6件、2010年に23件、2011年31件あり、2011年末時点で累計で120件に達しました。2010年7月からは法律の改正施行によって、臓器提供者本人の意思が不明な場合でも家族の同意で臓器の提供が可能となり、またこれまで制限されていた15歳未満からの提供も可能になりました。

    一方、心臓移植を希望する患者さんの数は2012年1月31日時点で199人、うち15歳未満は14人(0~9歳は10人)となっています。199人のうち拡張型心筋症の患者さんは132人と全体の3分の2を占めています。希望者の待機期間は1年未満が87人、1年以上2年未満が40人、2年以上3年未満が30人、3年以上4年未満が8人、4年以上5年未満が11人、5年以上が23人となっています。

    尚、2010年12月31日までに国内で心臓移植を受けられた89人の登録日から移植日までの平均待機期間は949.9日(約2年8ヶ月)でした。(社団法人日本臓器移植ネットワーク調べ)
    5.海外での心臓移植手術
    国内での心臓移植が認められる以前は海外に渡航して心臓移植をするケースが多く見られましたが、近年臓器売買の問題が国際的にクローズアップされ、2010年5月のWHO年次総会で海外渡航移植「自粛」の指針が承認されました。1984年から2007年7月末までに国内での心臓移植が非常に困難な10歳未満の小児38人を含め、116人が海外で心臓移植を受けていますが、2010年の臓器移植法改正施行以降は国内での移植手術が中心になっていくでしょう。
    6.費用
    国内の心臓移植では、2006年4月1日から、全ての心臓移植実施認定施設において、保険適用となりました。心臓移植手術費1,041,000円、心臓採取術費493,000円、脳死臓器提供管理料142,000円ですが、患者さんの身体障害等級(ほとんどは1級)、収入によって自己負担分は変わります。多くの場合、自己負担は発生しません。ただし、心臓摘出のために派遣された医療チームの交通費ならびに臓器搬送費(チャーター機の場合には100~400 万円)については、療養費払いとなり、一旦患者さんが支払った後、自己負担分(約3割)を除いた額が返還されることになっています。
    また、海外渡航の心臓移植に関わる費用は年々増加し、渡航前の状態、渡航先によって差がありますが、待機中・移植前後・外来の費用を含めて 5,000~14,000万円が必要となっています。最近では自費で費用を賄う人は減少し、ほとんどが募金または基金からの借入に頼っています。
    (参照:日本移植学会広報委員会編『臓器移植ファクトブック2007』 2007年9月13日作成)
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