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4月24日(火)
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くすり

  • 5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA製剤)
  • 炎症性腸疾患の基本的な治療薬です。再燃している症状を抑える「寛解導入効果」があります。寛解を長期間維持する「寛解維持効果」は限定的ですが、有害性が低いことから、長期投与されることが少なくありません。
    サラゾスルファピリジンとメサラジンがありますが、クローン病には小腸で作用するメサラジンが使用されます。
    5-ASAの徐放剤であるメサラジンは、胃などの上部消化管では溶けず小腸に達してから有効成分の5-ASAが放出されます(ドラッグデリバリーシステム)。
    安全性は高く、妊娠中や授乳中に服用していても、お子さまへの影響はほとんどないと考えられています。
  • 副腎皮質ステロイド
  • 強力な炎症抑制作用と免疫反応抑制作用を持つお薬で、クローン病以外にも膠原病などさまざまな炎症性疾患に使われています。
    強力な炎症抑制作用と免疫反応抑制作用を持つお薬で、クローン病以外にも膠原病などさまざまな炎症性疾患に使われています。
    中等度以上の症例や、軽症でも5-SAS製剤に反応しない活動期症例に適応となります。
    寛解導入効果は優れていますが、寛解維持効果はなく、特に長期投与での副作用があるので、使用は短期間にとどめられます。
  • 免疫調節剤
  • 免疫調節剤にはアザチオプリン、タクロリムス、6―メルカプトプリン、シクロスポリンA があります。現在アザチオプリンのみ保険適応となっています。

    アザチオプリンは6―メルカプトプリンのプロドラッグです。吸収された6―メルカプトプリンはさらに6―TGNに変わり、免疫反応を抑制します。
    血中の6―TGN濃度が安定するまでに3カ月程度かかるので、即効性はありませんが、ステロイド依存性CDの緩解導入と緩解維持に使われます。
    クローン病手術後の再手術率の抑制効果、皮膚ろう、痔ろうへの有効性も報告されています。抗TNF―α抗体に対する抗体産生を抑制して効果を持続させたり副作用の発現率を低下させることも報告されているため、インフリキシマブとの併用も行われています。
    骨髄抑制に注意するため、投与中は白血球数を定期的に測定します。
    5―ASA製剤に6―メルカプトプリンの代謝酵素活性を阻害する作用があるため、併用によって骨髄抑制を来しやすくなる可能性を考え、5―ASA製剤の投与を中止することがあります。
    また、妊娠中の投与は慎重にし、できれば避けたほうがよいでしょう。
    シクロスポリンAは臓器移植の拒絶反応を抑える薬剤として知られます。ステロイド抵抗性の重症難治性潰瘍性大腸炎に点滴で使われます。クローン病に対する効果には否定的な報告が多いようです。
  • 抗TNF製剤
  • TNF?αという炎症をおこす物質の働きをおさえる抗体製剤です。活動性のクローン病を寛解に導くだけでなく、寛解維持効果もあり、ステロイド薬を中止させる効果もあります。また潰瘍を治したり、瘻孔を閉じたりする効果もあります。さらに入院や手術を減らすことができると考えられています。
    以前から使われていたインフリキシマブに加え、アダリムマブが2010年に国内承認されました。
    インフリキシマブの投与に際しては、免疫力の低下を招くので結核などの感染症に注意する必要があります。そのため、投与前にツベルクリン検査、エックス線検査で、結核の可能性を否定してすることが大切です。
    また、患者さんの過去の既往症や現在の状態でインフリキシマブを投与できない場合もありますので、主治医の判断のもと適切な投与が必要になります。
    投与方法は、初回投与後、2週後、6週後に点滴し、それ以降は8週間おきに点滴投与します。投与量は体重1kgあたり5mgで、1回の点滴は約2時間かけてゆっくりと行います。点滴中は、血圧・体温・呼吸数などを測定して点滴投与時に起こる投与時反応(悪心、顔面紅潮、動悸、掻痒感やアレルギー症状など)をチェックします。
    一方、アダリムマブは2週間に一度注射が必要ですが、自宅で注射することも可能です。
  • 新しいくすり
  • 既に欧米ではクローン病薬として販売されているブデソニドが日本でも開発が進められています。
  • 栄養療法
  • クローン病では薬物療法のほか、成分栄養剤による経腸栄養療法、中心静脈栄養療法など、栄養療法があります。
    効果がでるまで時間はかかりますが、重篤な副作用はほぼありません。腸管を安静に保ち、栄養状態や臨床症状を改善させるだけではなく、腸管の炎症の改善と消失の効果があり、緩解導入と緩解維持の効果が薬物療法に比べても遜色がないという報告もあります。

    中心(完全)静脈栄養法(TPN)は腸管狭窄や瘻孔がある場合や、重篤な場合(膿瘍・大出血・広範囲の病変)に用いられます。糖、アミノ酸、電解質、ビタミン類、微量元素など高濃度の輸液・薬剤を、点滴にて静注するものです。脂肪は脂肪乳剤を点滴します。鎖骨下の静脈など挿入経路は色々ありますが、静脈を穿刺し、カテーテルを上大静脈内に留置し、24時間点滴します。
    一日に必要なカロリーを投与するために濃度を上げた輸液は浸透圧が高く、抹消の静脈ルートから輸液をしたのでは血管炎を起してしまいます。そのため体内で血液量の多い中心静脈ルートを使用するのです。長期間カテーテルが留置できて、血管刺激性もないというメリットがありますが、感染など重篤な副作用がでることもあるので注意しなければいけません。

    成分栄養療法は、食事性抗原の主体と考えられるたんぱく質を含まず、たんぱく質源としてアミノ酸から成る製剤を経口または経鼻にて摂ります。糖質は消化吸収障害の少ないデキストリンで必須脂肪酸としての脂肪含有量はごくわずかです。体重1kgあたり35~40kcalを基準にして、経口の食事が摂れるにつれて漸減します。成分栄養剤の溶液は浸透圧が高いために、摂取する速度が速かったりすると下痢などがみられます。
    スライド方式により成分栄養剤による摂取カロリーと経口による普通食の割合を変えていきますが、緩解時には600~1200kcalを成分栄養剤で摂取することが多いようです。
    患者さんのライフスタイルの都合で一日に必要な栄養剤を経口で摂取できない場合は、鼻から細いチューブを胃または十二指腸まで通し、夜間睡眠時に摂取することもできます(在宅経管経腸栄療法HEN(home enteral nutrition))。
    なぜ成分栄養法に効果があるのかは、はっきりしていません。
    理由としては、脂肪が非常に少ない、アレルギー抗原が除去されている、消化せず吸収されるので腸管の安静が保てる、含有されているアミノ酸そのものに炎症抑制効果があること、などが考えられています。

    成分栄養剤のほか、経腸栄養療法で使用する経腸栄養剤には消化状態によって消化態栄養剤、半消化態栄養剤があります。
    消化態栄養剤はペプチド栄養剤ともいわれ、たんぱく質がジペプチド、トリペプチドに分解されています。脂肪は中鎖脂肪酸を含み、食物残渣もあるので成分栄養剤よりは多少消化を要します。
    半消化態栄養剤は、糖質は商品によってデキストリンなど様々です。たんぱく質が完全な形かまたは加水分解されて消化しやすくなったもので、成分栄養剤や半消化態栄養剤よりは飲みやすくなっています。

    新しい薬物療法が登場して治療の選択肢が増えてきました。栄養療法が寛解導入と寛解維持に効果があり、有効性と安全性の点からも基礎的な治療法であることは今後も変わらないと思います。患者さんの病状や生活などによって使い分けていくことが重要でしょう。
  • 医薬品・機器メーカーの患者向けIBDサイト
  • 株式会社JIMRO「知ろう!炎症性腸疾患のこと IBD情報」
  • 医療機器メーカーの患者向けIBDサイト
  • 田辺三菱製薬株式会社「クローンフロンティア」
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