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6月23日(土)
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疾患

  • 定義・概念
  • 原因不明ですが、免疫異常などの関与が考えられる肉芽腫性炎症疾患です。
    1932年に米国マウントサイナイ病院のB.B.Crohn(ブリル・バーナード・クローン博士)らが初めてこの病気について報告しました。そのためクローン病(Crohn'sdisease)という病名があります。当初は「限局性回腸炎」といわれましたが、その後、回腸だけでなく口から肛門まで、消化管に病変が現れることがわかりましたので、いまでは「(非特異的)限局性回腸炎」という名称は使われません。
    クローン病は原因不明ですが、免疫異常などの関与が考えられていて、主に10歳~20歳代の若い人に見られる肉芽腫性炎症疾患です。小腸・大腸を中心にしながらも口腔から肛門までのあらゆる消化管の部位に、粘膜浮腫、線維(筋)症や潰瘍をともなう肉芽腫性炎症性の病変ができ、腸管狭窄や瘻孔などを発症します。下痢や腹痛などの消化管症状だけでなく、発熱や体重減少・栄養障害などの全身症状もみられます。貧血、関節炎、虹彩炎、皮膚病変などの合併症もあります。病気を根治する治療法は確立されていませんので慢性の経過をとり、緩解と再燃を繰り返します。しかし治療法も進歩し、根治できずとも病勢をコントロールすることが可能な時代になってきました。
    出血や高度な狭窄、内科的治療に反応しないなどの理由で手術を必要とすることも多いのですが、手術したとしても再発率は高くなっています。
    発生原因について最近はだいぶ解明されてきましたので、免疫に働きかける薬剤などが登場し、一世代前に比べれば格段の進歩を遂げています。
    また、感染性ではないのでヒトに感染することはありません。家庭内遺伝については日本では正確な疫学資料がありません。2001年、アメリカでNOD2遺伝子の異常がクローン病の患者さんにみられると報告されていますが、日本人では異常は認められていません。
  • 疫学
  • クローン病は1975年に厚生省に研究班が発足し、全国調査が行われるようになりました。1976年の特定疾患医療受給者証の交付件数は128件でしたが、2006年には約25,700人(人口10万人あたり約20人)、2012年には約36,000人となっています。毎年1,500人前後の増加が見られます。
    疫学的には日本を含むアジアでは少なく、北米、ヨーロッパ(特に北欧)に多いということです。人種的には白人、特にユダヤ人に多くみられます。動物性たんぱくや脂肪を多く摂取し生活水準が高いほどかかりやすいとみられています。
    日本においては若年者に好発し、男女比は1.8:1.0程度で男性に多く見られますが、欧米では女性に多い地域もあります。
  • 成因
  • なぜクローン病になるのか、その原因ははっきりわかっていません。
    遺伝がなんらかの関わりがあると推測されています。
    罹患率に大きな地域差がみられることから、食事との因果関係が考えられており、海外では糖質の摂取量の多さとの関連が指摘され、日本の研究でも脂肪と砂糖を多く含むファースト・フードとの関連を認められていますが、クローン病の危険因子と断定できる食事内容はまだ判明していません。
    喫煙はクローン病の危険因子と考えられ、発症・再燃・増悪と喫煙との因果関係を示す報告があるだけでなく、禁煙により術後の再発率が低下したり、インフリキシマブの効果にも影響することもわかっています。
    薬剤との関連では、NSAIDsや経口避妊薬が発症や増悪に関連しているようです。
    そして、最近では病気を起こすしくみは分かってきました。遺伝子の異常が背景にあり、外から体内に取り込んだ異物を排除する免疫系統の反応異常ではないかといわれています。外来の抗原が食事成分なのか細菌の侵入なのか、腸内細菌なのかはまだ特定されていません。腸が人体のなかで最大の免疫組織であることを考えると免疫異常説が有力かもしれません。
    現在、確認されている免疫異常としては白血球中にあるマクロファージが出すタンパク質(TNF-α)が患者さんの血液や便中で増加していることがあります。しかしこの物質が免疫異常を起している主犯格なのか他に犯人がいるのか、研究中です。
  • 臨床症状
  • 病変の特徴としては、腸管の縦軸の方向に長くて深い「縦走潰瘍」ができたり、敷石を敷いたようにみえる潰瘍、そして炎症の発生と治癒を繰り返すことで腸管の内側が狭くなる「狭窄」が現れます。病変は連続性がなく飛び飛びに現れ、腸管の全層に深く及びます。
    主な症状としては腹痛、下痢、全身倦怠感、血便、発熱、肛門病変(肛門周囲膿瘍や痔瘻)、腹部腫瘤、体重減少(栄養障害)、貧血などがあります。これらの症状は全部の患者さんに必ず現れるものではなく、病変部位(小腸型、小腸・大腸型、大腸型)によって異なります。また、結節性紅斑や関節炎など消化管外合併症が出現することもあり、患者さん一人一人異なっています。
  • 潰瘍性大腸炎との違い
  • クローン病と潰瘍性大腸炎は似ていますが違う病気です。症状や組織学的所見でクローン病と潰瘍性大腸炎のどちらとも判定しにくい中間型大腸炎もあります。また、最初は潰瘍性大腸炎と診断されましたが、のちにクローン病に変わったケースもあります。
    診断の際に潰瘍性大腸炎と異なっているとされるのは、病変部位と炎症の深さがあげられます。
    潰瘍性大腸炎で侵されるのは直腸から大腸ですが、クローン病では消化管のすべてに病変が見られます。また、裂肛や肛門潰瘍、痔ろうなど肛門病変を合併することが多くなっています。クローン病の病変は非連続的な飛び飛びに現れる傾向がありますが(スキップ病変)、潰瘍性大腸炎では直腸から連続的に現れがちです。,br />潰瘍性大腸炎では粘膜が侵されますが、クローン病では粘膜下や筋層はもとより、腸管の壁を通り越して周囲の臓器とくっついて膣瘻や膀胱瘻を形成してしまうことがあります(全層性病変)。
  • 診断
  • 主要な所見としては腸粘膜に、縦走潰瘍と敷石状像が見られます。病理組織学的所見としては、炎症性の細胞の集まりである、非乾酪性の類上皮細胞肉芽腫があるとクローン病に特異的な所見なので疑われます。
    クローン病の早期に見られる症状は腹痛・下痢・全身倦怠感ですが、他の疾患でもこの症状は出ます。そのため、近くのお医者さんを受診しても、なかなかクローン病と早期診断されるのは難しい時代がありました。しかし、検査機器の普及や検査法の進歩、この病気が広く知られていったことから、数十年前に比較すれば早期発見ができるようになっています。
    検査には血液検査・糞便検査・消化管エックス線造影検査・内視鏡検査があり、注腸造影や大腸内視鏡検査や、小腸造影検査で評価することができます。
  • 治療
  • これまでは、症状を抑えれば治療は成功という考え方がありましたが、症状が落ち着いても病気が進んでいたということがありました。現在は内視鏡で診たときに粘膜がきれいに治癒しているかどうかを目標とする時代になりました。
    原因が不明のため根治の治療法はまだありません。しかし軽症から中等症の場合は寛解維持療法と生活上の注意を払うことで普通の日常生活を送れますし、中等症の場合も、再燃時などに入院治療が必要となる他は、多くの場合、通常に近い生活を送れます。
    治療は、活動期には寛解へ導き、寛解時にはその状態をできるだけ維持するように行われます。病変の存在部位、炎症の程度、疾患パターン、過去の治療に対する反応性および合併症の有無などに基づいて、薬物療法、栄養療法、外科療法を組み合わせて症状を抑えると同時に栄養状態を維持し、炎症の再燃や術後の再発の予防に努めます。
  • 【栄養療法・食事療法】
  • クローン病の患者さんは、炎症によって腸管からの栄養素吸収障害が起こりえます。活動期の炎症によって栄養必要量は増加するのに、腹痛や下痢のため食事摂取量が減少します。炎症治癒のためにも体重減少や貧血を防ぎ栄養状態を改善することが大切です。
    また、病因として、食事が抗原となっている可能性もあるので、食事抗原を除去し腸管を安静するための栄養療法が重要視されてきました。栄養療法の結果、下痢や腹痛などの症状が軽減し、寛解導入できることが認められます。
    しかし、寛解導入はできても寛解維持効果があるかは疑問視されていますし、コンプライアンスが悪く、長期間続けられないなどの問題があります。また、小腸型、小腸大腸型に比べて、大腸型での有効性は低いと考えられています。
    栄養療法には経腸栄養法と完全中心静脈栄養があります。経腸栄養療法には成分栄養剤、消化態栄養剤、半消化態栄養剤がありますが、詳細は「くすり」項目に記述します。
    通常の食事を摂取できるようになるくらい症状が落ち着いてきても、低脂肪(1日30g以下)で不溶性繊維の少ない低残渣(狭窄がある場合)の食事が一般的には勧められています。香辛料や炭酸飲料もなるべく避けるなど、腸管を刺激しない低刺激の食事が求められます。しかし、どの食物で症状が悪化するか、病態に影響がないかは、体調や腸管の消化吸収能力など、人によって千差万別です。大腸型や小腸型でも異なります。多くの患者さんに共通する定型的な指導方法はないので、栄養士・主治医と相談しながら少しずつ食生活を改善していくことが大切です。
    食べられないことがストレスにならないよう、調理法を変えたり、クローン病向け調理食品を購入したり、病気と食生活の共存を工夫してみたらいかがでしょう。
  • 【薬物療法】
  • 世界中そして日本で良く使用されるのは5―ASA製剤です。作用機序の違いから、小腸型の患者さんに対しては、ほとんどの場合メサラジンを処方し、サラゾスルファピリジンを処方することはあまりありません。
    寛解維持効果のある薬に関しては、長年さまざまな研究や議論が行われてきました。しかし、現在では、免疫調節剤とインフリキシマブが寛解維持効果を持つことが証明されています。また、インフリキシマブ治療と併行して栄養療法を行うことも多いようです。
    最近では、メトロニダゾールや塩酸シプロフロキサシンなどの抗菌剤に外科手術後の寛解維持効果があると言われています。
    難治性の痔ろうがある患者さんに対しては、まず炎症を抑えるために抗菌剤や抗生物質を処方します。絶食して栄養療法を行う場合もあります。
    症状がひどい場合には、外科的な切開、排膿を行い、難治例の場合はレミケード治療を行います。
  • 血液検査の値
  • 血液検査それぞれの項目について、意味をご存知でしょうか。白血球数、CRP、赤血球沈降速度、血小板では炎症の程度が評価できます。患者さんの症状がそれほどでもないのに、血液検査の数値が異常値の場合には膿瘍など感染症が考えられます。
    赤血球数、ヘモグロビン、アルブミン、コレステロール、鉄などでは貧血や栄養状態を評価できます。そして、GOT、GPT、ALP、GTP、アミラーゼでは合併症や薬剤の副作用をチェックすることができます。
    ○白血球
    基準値を上回っている場合は炎症反応が強い、あるいは何らかの感染症があることが考えられます。下回る場合は免疫抑制剤など、薬剤の副作用を考えます。
    ○赤血球
    身体中に酸素を運び、不要となった二酸化炭素を心臓まで運びます。基準値を下回る場合は病変からの出血や、栄養障害による貧血の可能性を疑います
    ○ヘモグロビン
    赤血球中のタンパク質です。下回る場合は貧血と思われます。鉄イオンのため赤色をしていて、鉄が不足しているとヘモグロビンが十分に作られなくなり、値も低下するので鉄欠乏性貧血と診断されます
    ○ヘマトクリット
    血液全体に占める赤血球の容積の割合。貧血の指標です。
    ○MCV
    ヘマトクリットを赤血球数で割った値です。値が高ければ大球性、小さければ小球性とされます。鉄欠乏により低値を示すことが多いようです。
    ○MCH
    こちらもヘモグロビンを赤血球数で割った値でMCVと同じように指標として使います。
    ○血小板
    血液細胞のひとつ。炎症性腸疾患で活動性が高くなると高値を示す。出血部位に集まり、止血栓を形成して、出血を止める。
    ○赤血球沈降速度(血沈)
    赤血球の1時間の沈み具合を表したもの。炎症の程度を反映し、早く沈む(値が大きい)ほど炎症が強い。しかし炎症以外の状態に左右されることがあるので、指標として特異性に欠ける。
    ○CRP
    炎症により産生された物質の刺激で、肝臓で産生されるタンパク質。炎症があると高値になるが、CRPの上昇と患者さんの自覚症状が一致しないこともある。
    ○総タンパク
    血中のタンパク質の総量。値が低ければ栄養状態が悪いと判断される。
    ○アルブミン
    血清中で栄養や薬剤の運搬などをするたんぱく質。低いと栄養状態が悪いか肝臓障害を疑う。
    ○総コレステロール
    コレステロールの総量。栄養状態の良し悪しの評価に用いられる。
    ○GOT・GPT
    アミノ酸を代謝する酵素。肝臓が何らかの原因で壊れると肝臓内から流出し、血液中で値が上昇する。薬剤の副作用で上昇することがあるので肝機能を評価できうる。
    ○ALP・γ-GTP
    胆道系酵素。胆道に障害を生ずると上昇する。薬剤性肝障害や胆石症で異常値を示す。
    ○血清鉄
    血液中の鉄分の量。低値だと鉄分が不足している。クローン病で慢性的な出血や炎症があると鉄分が足りなくなる。
    ○フェリチン
    体の鉄分の貯蔵量。鉄分が不足すると低値になる。炎症や腫瘍がある場合は、鉄の貯蔵量があっても十分に利用できないため逆に上昇する。
    ○アミラーゼ
    膵臓で合成される消化酵素。クローン病における膵炎の合併症や薬剤による膵炎の発生を評価するために重要な項目。
    ○尿素窒素
    尿素に含まれる窒素量。下痢による脱水や消化管出血で値が上昇する。クレアチニンと同様に、腎臓から尿中に排泄されるため、腎臓機能の評価に用い、腎機能障害があると高値を示す。
    ○クレアチニン
    クレアチンリン酸というたんぱく質が脱リン酸化したもの。腎臓より排泄されるので、腎機能の評価に用いる。脱水の影響は受けない。栄養障害で筋肉量が落ちると低値を示す。
    ○ナトリウム・カリウム・クロール
    血液中の主な電解質の濃度。下痢や極端な食欲不振などで異常値を示す。
    ○カルシウム
    血液中のカルシウムの量。血中でアルブミンと結合するため、低栄養でアルブミンが低値の際には血液中のカルシウム量も低値を示す。
  • 外科手術
  • 手術の適応
    治療薬の進歩により、従来であれば外科治療が必要なケースでも手術が回避されることができるようになってきましたが、手術を考えなければいけないケースもあります。
    穿孔やガンの合併、腸閉塞、大量の出血が絶対的適応で、難治性の腸管狭窄やろう孔、膿瘍があるときには様子をみて行う相対的適応となります。実際には相対的適応が多くなっています。
    腸管を温存するため、狭窄に対する手術は狭窄形成術と病変がある腸管の小範囲の切除を行います。

    クローン病の術式
    手術は炎症を残したままで吻合する場合が多く、最小範囲の手術となります。小腸は繰り返し切除していくと、どんどん短くなり経口からの摂取だけでは十分な栄養の吸収ができず、短腸症候群の状態となります。切除の範囲をできるだけ少なくして腸をとどめるため、狭窄形成術(狭窄の部分を縦方向に切開し、拡げて横方向に縫う)という方法が通常行われます。狭窄形成術後の再発、再手術率は腸切除と同じくらいであるとの報告もあります。
    狭窄の範囲によって、ハイネケミクリッツ法、フィニイ法、ジャボレイ法という方法があります。また、腸管を安静に保つため、人工肛門を造設することもあります。
    ・ハイネケミクリッツ法(最も多く行われている短い狭窄に適した術式。腸管を平行に4~5cm切開し、縦に縫う)
    ・フィニイ法(比較的長い狭窄に適した術式。7~8cm切開し縫合する)
    ・ジャボレイ法(狭窄がどんなに長くても実施できる術式。4cmずつ切開し側側吻合する)
    クローン病における特有の症状に痔ろうがあります。痔ろうに対しての手術はレイ・オープン法、くり抜き法、シートン法などの術式があります。
    ・レイ・オープン法(痔ろうをろう管に沿って切開開放する術式)
    ・くり抜き法(肛門の括約筋の損傷を少なくする手術術式)
    ・シートン法(ろう孔にゴム管などを通し、数週間―数ヵ月という時間をかけて膿を出して治癒させる術式)
    また、腹腔鏡を使用した手術も行われています。腹腔鏡下手術の利点は、身体への侵襲が少ない、美容的にも傷が小さい、入院期間が短いなどがあります。

    手術

    用意するもの

    以下の物を手術前日までに用意します。病院の売店や薬局に売っています。
    ・和式寝巻き(パジャマだとボタンが邪魔をします。前開きの浴衣ですとガーゼ交換や身体を拭く時に着脱しやすいのです)
    ・T字帯(ヒモと木綿でできているフンドシのようなもの。尿管カテーテル〈医療用に用いられる中空の柔らかい管のこと〉やドレーン〈術後の血液や浸出液、空気などを外に出すビニールの細い管のこと。痛みや炎症が軽減される〉が体に入っているので、普通の下着だと不都合が生じやすいのです。また、看護師も全身の状態を観察しやすく、傷口にも優しいのです)
    ・バスタオル(手術の後、体の下に敷きます。手術台からベッドに移動させる時、看護師が使用します)
    ・おむつ(術後は水様便が出やすく身動きをとるのも困難なので、T字帯の下におむつを履いたり、シーツの上に平型を敷いておきます)
    ・腹帯(開腹手術の後、傷口を保護するために使用する白布(さらし木綿)の帯。ウエストに合わせ適度にカットして使用します)
    ・吸い飲み(患者が寝たまま水を飲むために使用する、きゅうす形の容器。介助する人がいれば容態次第で、コップに曲がるストローを入れて飲むことも可能です)
    ・ティッシュ(痰や唾液を吐き出す)

    手術2、3日前

    担当の外科医、麻酔医、看護師が入院生活や手術の説明に病室を訪れます。わからないことがあれば遠慮なく聞きます(病院によっては医師の説明の際、家族の同席が必要な施設もあります)
    手術同意書や輸血同意書(輸血の可能性があれば)に署名・押印をします
    術前検査を受けます(血液、胸腹部X線、腹部超音波、心電図、呼吸機能など)
    手術前日
    ・入浴、もしくはタオルで体を拭いたり洗髪してもらいます
    ・爪は短く切り、マニキュアは落とします(剃毛については、最近は全くしないか、脱毛クリーム化している傾向があるようです)

    ・深夜12時以降は食事禁止
    ・不安や緊張のため眠れない場合は、睡眠薬を処方してもらいます(特に要望しなくても消灯時間に持ってきてくれる病院もあります)
    ・ストーマを造設する場合は、主治医と相談し事前に位置決めをします(ストーマサイトマーキング)

    手術当日

    ・朝7時以降は絶飲食
    ・男性はヒゲを剃り女性は化粧禁止です。髪が長い人はゴムなどで結びます(ヘアピンなどは使用不可)

    ・付き添いの家族などが到着します(心の支えになる。手術後は、下着の洗濯など、身の回りの世話をする)
    ・手術1時間前に排尿、排便をすませ、和式寝巻きに着替えます(場合によっては浣腸も行う)
    ・麻酔を効きやすくしリラックスする効果がある筋肉注射をする場合があります
    ・準備が整ったらストレッチャー(搬送車)、車いすなどで手術室へ向かいます(途中まで家族は同行できます)
    ・手術台に移動する前に、体に掛けていた毛布などを、手術室用の掛け物(体にかける清潔な布)に替えて頭髪を覆うための帽子をかぶり、寝巻きを脱ぎます
    ・手術室には緊張をほぐすためにBGMが流れていることが多いようです。病院によっては事前に患者が聴きたい音楽を持参すると流してくれます

    手術室内

    ・本人確認のため名前を確認され、自分で名前をいいます
    ・ベッドが狭いので、麻酔が安全に行えるよう、手と足を軽くバンドで抑えます
    ・心電図のシール、血圧計、測定器をつけ、手足をバンドで固定する
    ・麻酔が始まります。硬膜外麻酔、全身麻酔の順に行われます
    ■硬膜外麻酔(術後の痛みを和らげるために必要な麻酔)
    (1) 横向きに寝て、膝を抱えてエビのように体を丸めます
    (2) 背中(主に腰部が多いようです)にとても細い管(硬膜外留置カテーテル)を入れ、背中を走っている脊髄という太い神経のまわり(硬膜外腔)に局所麻酔薬を入れます。術後は持続注入器によってこのカテーテルから麻酔剤が入りますので鎮痛効果があります。
    脊椎麻酔との違いは、脊髄の一歩手前、硬膜を破らずに硬膜外腔で針を止めることです。硬膜を破ってくも膜下腔に進むと、脊髄の神経に近くなります。麻酔効果は高いのですが、髄膜炎を起こすこともあり一回しかできません。しかし硬膜外腔で留めておくと麻酔効果は高くないのですが、髄膜炎の可能性が低下し何度でも局所麻酔剤を入れることができるのです
    ■全身麻酔(手術中の苦痛を取り除くために必要な麻酔)
    (1) 仰向けになり、酸素マスクを顔にあてます
    (2) 麻酔薬を点滴から入れます(この時、血管が痛いときがあります)
    (3) 入れ始めてから数十秒で眠くなり意識がなくなります
    (4) 意識を失った後、人工呼吸用の管(気管内挿管チューブ)を喉の奥(気管)に入れ、管を噛まないよう、ゴム製の器具とともにテープで固定します。手術中はこのチューブから麻酔剤と酸素を吸っている状態なので麻酔が効き、呼吸もできていることになります。
    手術後の合併症 

    ○腹腔内膿瘍……腸管の吻合部がうまくつながらず、腹腔内に便がもれたりして感染を起こし、膿がたまって、発熱や腹痛を起こします
    ○縫合不全……縫合した部分が破れて中身がもれてしまうことです。ステロイド剤を使用していると起こりやすくなります。術後一週間前後に発症することが多く、腹痛、発熱、悪寒、脈拍の増加、ドレーンから消化液の排出などの症状が出ます
    ○癒着……本来は離れているはずの組織面が、炎症や外傷によってくっついてしまうことです。ベッドの上で体を動かしたり院内を散歩するなど、積極的に体を動かすことによって防止できます。施設によっては手術の際に癒着防止材のフィルムを使用することもあります
    ○ステロイド離脱症候群……全身倦怠、頻脈、血圧低下、頭痛、発熱、電解質異常などが出現します
    ○尿管結石・胆石症
    ○誤嚥性肺炎……飲み込んだものが肺に侵入して起こる肺炎のことです。麻酔で正常な反射が鈍っていたりするような場合に起こりやすくなります
    ○悪心(吐き気)、嘔吐

    ○脱水症状……頻回の下痢、大腸の切除、経口摂取の禁止、術前の飢餓状態、消化吸収障害、腸閉塞の場合に水分と電解質のバランスを崩しやすくなります
    ○その他……人工呼吸用の管を抜き差しする際に舌、唇などが傷ついたり、歯が抜けたり欠けたりすることがあるので、自分の情報(義歯、ぐらつき、口が開きにくいなど)を事前に知らせておくことです。また、人工呼吸用の管を入れたことにより、数日間のどの痛み、声のかすれが起こり得ます。
    また、高齢者のかたですと、肺梗塞や心筋梗塞などが起こったり、肺炎や尿路感染が起こったり、肝臓や腎臓の機能が悪化することがあります
  • 経過・予後
  • 生命予後は短期的にも中長期的にも良好とみなされています。死亡率は一般の方と変わりありませんが、クローン病を原因とする合併症による敗血症や、病変部位の癌化などで死亡するケースもみられます。
    完全に治癒することは困難です。手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と報告されています。(厚労省研究班の内科9施設の集計による累積手術率)
    しかし寛解と再燃を繰り返しながらも、患者さんがライフスタイルと折り合いをつけて通院を続け、服薬と検査によって長期寛解を保つケースは多くなっているようです。特にここ数年は新薬の登場によって、以前より入退院の繰り返しを避けられるようにもなりました。寛解をできるだけ長く維持して学校生活や就職、結婚を普通の人とそう変わりなく送ることができる患者さんも増えています。
  • 大学の医学部などが開設した、クローン病の基本的な解説サイト
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病先端治療センター「対象疾患について」
  • http://www.tmd.ac.jp/med/acid/inflammatory_bowel_diseases/target.html
  • 難病情報センター クローン病
  • http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/023.htm
  • 医療・健康情報サイト
  • http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000230.html
  • 三重大学大学院医学系研究科 生命医科学専攻 臨床医学系講座 消化管・小児外科学 先進医療外科学講座 先端的外科技術開発学 炎症性腸疾患(IBD)
  • http://www.medic.mie-u.ac.jp/geka2/patient/ibd.html
  • 名古屋クローン病研究会
  • http://crohn.fujita-hu.ac.jp/
  • 兵庫医科大学附属病院第二外科 クローン病の外科手術
  • http://www.hyo-med.ac.jp/department/srg2/cdpage/cdTop.html
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